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  • 2019.01.09
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  • SLに笑顔あふれる 島根県・津和野

2018年12月7日版掲載

18歳から20代半ばまで過ごした東京時代の記憶が、人生の中で一番強く残っている。

一つ思い出すと、次から次へと話がつながる。東京のアパートの大家さんに電話を借りて、電話局の交換手に番号を告げると、つながるのに2~3時間もかかった時代だった。

当時、お盆と正月には帰省いていた。移動といえば汽車。盆、正月ともなれば始発の上野駅は東北や北陸に帰省する人たちで大にぎわい。夜行列車なのに朝から行列ができていた。夜の9時ごろに出発すれば朝7時ごろに高岡駅に着いた。

ホームには洗面台があり、蒸気機関車の長い旅ですすけた顔を洗ったものだ。夏は暑いから窓は開けたまま。顔から着ているものまですすだらけだった。半世紀も前の話だ。

最後に蒸気機関車に乗ったのは中国。1979年、太原から西安へ、一日中汽車に乗っていた。客車を数多く連結し、先頭が煙を吐きながら遥か先を走っていた。外国人だからか、客車は最後尾の方。自慢の機関車製造工場の見学もあり、今から思えば大人の遠足のようだった。

現代はストレス社会。日常から解放されたい気持ちがいつもある。その一つが旅だろう。車に電車に新幹線に飛行機・・・・・。そしてSLにも乗ってみたい。

山口県の新山口駅から島根県・津和野駅までを約2時間でつなぐ蒸気機関車「SLやまぐち号」が走っている。冬を除く土、日曜中心の運行で、予約したいっぱいのお客さんを乗せて汽笛を山あいに響かせながら走っている。

終点の津和野駅のホームは、到着と同時に人々で満ちあふれる。老若男女が携帯電話やカメラを手に写真撮影している。みんな笑顔いっぱい。なんと幸せなことだろう。