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  • 2019.10.20
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  • 穏やかな笑顔で歓迎 中国・北京

2019年10月4日版掲載

今回は日本海を挟んだ向こう側のお話。私が初めて海外旅行に行ったのは1979年の中国旅行だった。前年に開港したばかりの成田国際空港は人影もまばらで、日本人の海外旅行はまだまだ少ない時代だったのだろう。

私が参加した旅行団体名は「富山県各界訪中団」といういかめしい名前だったが、県庁OBの団長のほか、大学教授、建設会社の社長、幼稚園長ら好奇心旺盛な人たちの集まりで、旅は楽しいものだった。

受け入れ側の中国は旅程や目的などを事前に通知済みで、夜ともなれば中国の要人も出席する夕食会で乾杯、乾杯。強いお酒で盛り上がり、二日酔いが続いて頭がガンガン、日中の見学が大変だったことを思い出す。

その頃の中国では、昼寝の習慣が残っていて、バスの運転手は昼休みに2時間ばっちりと休み、こちらも付き合わされたものだった。

約2週間、北京、大同、太原、西安と巡った。朝夕は自転車の多いこと、田舎に行けば子供の多いことなど、私の子供の頃と同じような風景が、30歳半ばを過ぎた私の目に映った。当時は文化大革命(1966~76)が終わり、平静を取り戻しつつある頃で、人々の顔も穏やかで、私たちにも笑顔を見せてくれた。物はなくても今日のように格差や競争社会、一人っ子政策もない時代。いい時だったのだろう。

私たちも、富山県南砺市福光町出身で日中国交正常化に尽力された政治家、松村謙三(1883~1971)氏の地元からのお客さんということで、手厚く歓迎された。私たちは今、中国からのお客さんを迎える立場。先人の努力と勇気に報いなければならない。写真は北京で。